岩川海軍航空基地 その1

鹿児島県曽於市には、岩川(いわがわ)海軍航空基地があった。
昭和18年秋、この地の風向や台風の状況などを調べたのが飛行場建設の始まりであった。
しばらくして村長宛に海軍から、この地に重要な施設を建設する旨が伝えられ、それから一月もたたないうちに測量が開始された。昭和19年5月、土地所有者は集められ、軍用地になる事を言い渡された。
すぐに地鎮祭、起工式が行われ、岩川飛行場と名付けられた。
その後、急ピッチで工事は行われ、掘り起こした土地には芝が植えられ、敵に察知されないようにした。
また、コンクリートが間に合わなかったため、滑走路には金網を敷いた。
9月になると、さらに作業員は増員され飛行場の完成を急いだ。
昭和20年になると、飛行機が飛来し、兵員も増加し飛行場の形を整えた。
飛行場完成後は、秘匿するために、滑走路には刈草を敷き詰め、移動式の家屋や樹木を置き、牛を放牧させた。
これらは夕方になると夜間の出撃に備えて、すべて取り払われた。
この様な苦労により、終戦まで岩川基地は敵にその存在を知られる事はなかった。
岩川基地は芙蓉部隊の使用基地として知られている。
(大隅町と芙蓉之塔:芙蓉之塔保存会、から抜粋)

芙蓉之塔
滑走路があった付近には、芙蓉之塔がある。
芙蓉部隊とは、第131航空隊所属の3個飛行隊(戦闘804飛行隊、戦闘812飛行隊、戦闘901飛行隊)の通称であり、昭和20年5月から岩川基地を使用していた。当時は特攻が主体となっていたが、指揮官の美濃部少佐はそれを拒否し、夜間攻撃を敢行した。

岩川滑走路
芙蓉之塔から、滑走路があった方向を見る。

通信壕
西馬場三区公民館は通信壕の上に建てられている。
通信壕は埋められており立ち入る事は出来ないが、出入り口が5ヶ所残っている。
入り口から通信壕は、「H」の字に真ん中1本、「山」と「H」を足した形状であると推測する。

岩川通信壕
「山」の字の真ん中にあたる入口。通信壕本体の真ん中部分に通じていると推測する。

岩川通信壕 (3)
側面を見る。

岩川通信壕 (2)
背面から見る。

岩川通信壕 (4)
「H」字の、右上部分の入口。

岩川通信壕 (5)
入口内部。ここから反時計廻りに入口を見て行く。

岩川通信壕 (6)
「H」の左上部分の入口を側方から見る。

岩川通信壕 (7)
「H」の左下部分の入口を背面から見る。

岩川通信壕 (8)
斜め前から見る。

岩川通信壕 (9)
正面から見る。入口の形状が良く分かる。

岩川通信壕 (10)
ここでは枯葉などを焼却している様で、内部は煤で黒くなっており、焦げ臭かった。

岩川通信壕 (11)
「H」の右下部分の入口。

岩川通信壕 (12)
こちらも中で焚火をしている様で、煤で黒くなっている。

岩川通信壕 (13)
側方から見る。

岩川通信壕 (14)
「H」字の右側上下の入口中間地点には、本来埋まっていた地下壕の一部が露出している。
コンクリートの上に石が被されているのが分かる。

神州不滅の碑
通信壕近くにある城山公園には、神州不滅の碑がある。
これは、志布志湾に上陸すると予想されていた米軍に対し、これを迎撃せんと第86師団(通称積兵団)が、この地に陣地を築いていたが、敵上陸前に終戦を迎える。師団長の芳仲中将は、この地で軍旗焼き、この碑を建立したと言われている。

今回、岩川基地の見学にあたって、曽於市文化財保護審議会委員の方にご案内頂いた。「神州不滅の碑」も、以前から行きたいと思っていたが、今回はすっかり失念していた。しかし、ご案内くださった方に教えていただき、行く事が出来た。
この度は、お忙しい中、ご案内くださりありがとうございました。おかげさまで有意義な時間を過ごせました。
この場を借りて、お礼申し上げます。

岩川海軍航空基地通信壕の場所はこちら
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プロフィール

神崎 伸介

Author:神崎 伸介
酒とミル貝刺と、手羽先をこよなく愛し、日々全国の旧軍遺構を訪ね歩く自他共に認める変わり者です。
最近は暇があれば、YouTubeで河合奈保子の動画を観ています。奈保子ちゃん本当に可愛いです!

紹介する遺構の説明は正確を心がけてますが、間違いや情報があれば、是非とも教えてください。
また、ここで紹介する遺構は訪ねてから紹介するまでに、時間が経っている物も有り、必ずしも現状で無い場合がありますのでご注意ください。
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