陸軍登戸研究所

川崎市多摩区にある明治大学生田キャンパスは、陸軍登戸研究所の跡地に建てられていて、現在もいくつかの遺構が残されている。
明治大学は、登戸研究所の研究施設であった第36号棟を改装して「明治大学平和教育 登戸研究所資料館」として一般に公開している。
生田キャンパスの門では登戸研究所のパンフレットが貰え、そこには
「登戸研究所の正式名称は第九陸軍技術研究所といい、全部で10施設あった陸軍の技術研究所の一つである。 同研究所は、昭和12年に開設され、風船爆弾や電波兵器など物理学を利用した兵器開発を行っていた第1科、科学を応用した生物化学兵器、スパイ器材などを開発していた第2科、経済謀略活動のために偽札を製造していた第3科があった。」と書かれている。ただ、研究内容は終戦時に処分され詳しい事は不明である。
また、パンフレットには構内に残る遺構の地図が載っているので迷う事も無いだろう。

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小田急線生田駅から一番近い、登校路門から入って坂を登ると弥心神社があり

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境内には、登戸研究所跡碑が建てられている。

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学生会館の前には、陸軍の消火栓が半分埋まった状態で残っている。

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図書館の前にある消火栓。こちらは完全な形で残されている。

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第5号棟、この建物は登戸研究所の代名詞でもある偽札を作っていたとも、偽札の倉庫だったとも言われている。
日本軍は中国国内の経済を混乱、破綻させる目的で、当時の金額で45億円もの偽札を作り30億円を中国国内に流通させたらしい。
当時の30億円とはどれ位に金額だったのか?
インターネットで調べたところ、昭和20年の大卒銀行員の初任給が80円だったようで、現在の大卒初任給が大体20万円程であるから、単純に計算すれば2500倍。30億×2500=7兆5000億円にもなる。
ただ、当時の中国はインフレが凄く、思ったほどの効果は無かったようだ。
また、真札よりも偽札の方が質が良く、戦後も偽札の方が真札よりも長持ちしたため、相当数が流通していたという皮肉な話も聞く。
中国紙幣だけでなく、チャンドラ・ボース率いるインド国民軍を支援するために、インド紙幣のルピーの偽札も製造したようだ。

なぜかこの第5号棟はパンフレットの地図には案内されて無いが、キャンパス南側の第1校舎1号館と2号館の間にある。
なお、この隣にあった第26号棟は昨年(2009年)6月に老朽化のために取り壊され、5号棟も近々取り壊す予定だそうなので早めに訪ねた方が良いだろう。(この5号棟も2011年2月に取り壊された)

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ガラスも割れてしまっている。

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防火水槽

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反対側、かなり傷んでいる。

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今はただ、取り壊されるのを待っている様だ。

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登戸資料館、第2科の研究棟であった第36号棟。
ただ、資料館にするために改装をしているので当時の姿とは大きく変わってしまっている。
生物化学兵器などを研究していたためか、大きな流し台が各部屋に備え付けられている。
館内は撮影禁止

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資料館入口に残る、当時の防火水槽

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資料館の非常口の階段、ここだけがオリジナルだと思われる。

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弾薬庫、資料館の斜め前、農学部南圃場の西側に作られている。

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もう1つの弾薬庫、これは農学部南圃場の北東側、第1校舎1号館の裏に残っている。

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正門の裏に残されている動物慰霊碑
実験動物の霊を慰めるために昭和18年3月建立された。

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正門を出た坂の途中には、当時の物と推測する塀の支柱が残っている。
この様な支柱は多くの旧軍遺跡の周りで見られる。

登戸研究所資料館は水~土曜の10:00~16:00に開館しているが、定期試験や入学試験中、夏季、冬季休業期間、その他大学の事情で閉館する場合があるので事前確認を勧める。
明治大学生田キャンパス 〒214-8571 神奈川県川崎市多摩区東三田1-1-1 (代)044-934-7171

登戸研究所資料館の場所はこちら
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神崎 伸介

Author:神崎 伸介
酒とミル貝刺と、手羽先をこよなく愛し、日々全国の旧軍遺構を訪ね歩く自他共に認める変わり者です。

紹介する遺構の説明は正確を心がけてますが、間違いや情報があれば、是非とも教えてください。
また、ここで紹介する遺構は訪ねてから紹介するまでに、時間が経っている物も有り、必ずしも現状で無い場合がありますのでご注意ください。
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